2002年2月15日

RCA/AIR YEARS 1976-1982


 山下達郎の初期のアルバムが,リマスターされて一挙に7組再発売になりました。1976年から1982年まで所属していたレーベルの名前をとって,RCA/AIR YEARSということで,これを記念して当時の曲だけで構成されるツアーが,3月から全国で行われます。

もう15年以上も前の話になりますが,1983年から1986年までの3年間,山下達郎はNHKFMのサウンドストリートという番組で木曜日のDJを担当していました。ちょうどこの時期は,LPからCDへ,そして録音スタジオもアナログからデジタルへと大きく変わっていく変化の時期でもありました。

サウンドストリートのDJを降板した1986年の暮れに発売されたON THE STREET CORNER 2というアカペラ・アルバムでは,LPとCDが同時に発売されました。私の記憶では,LPとCD同時リリースというのは,彼のアルバムとしてはこのON THE STREET CORNER 2が最初でした。

こうして,ムーンレーベル移籍以後の(Melodies以降の)アルバムは,山下達郎自身の手によってCDが作られたのですが,移籍以前の7組のアルバムに関しては,前のレーベルが原盤を所有している関係からか,CDマスタリングの工程にタッチすることができませんでした。

しかしこれらCD化されたRCA/AIR時代のアルバムは山下達郎のコアなファンには不評でした。例えば,CD化されてまもない頃のFOR YOUでは,アナログ盤でいうA面の最後の曲だったFUTARIと,B面の最初の曲だったLOVELAND,ISLANDの曲間が極端に短く,雰囲気も何もあったものではありませんでした。また,有名なところでは,GREATEST HITS!が1990年に再発売された際には,オリジナルと異なる曲順でマスタリングされるなどの問題から裁判沙汰にまで発展しました。

う希望を強く持っていたようですが,なかなかその願いは叶えられませんでした。しかし,裁判も1995年には和解となり,1997年には山下達郎の手によってリマスターされたGREATEST HITS!が発売されるなど,徐々に状況が好転。ようやく今回の7組リマスター再発売にこぎつけたということのようです。

リマスターとは「マスターし直す」ということで,あらためて録音しなおす訳でなく,またミキシングをやり直す(リミックス)訳でもないので,アナログ盤作成時に作られたマスターテープを元にデジタル・マスターを作成し,それを元にCDを作るという作業になります。

実際,音がどう変わったかというと,アルバム再発売に先立ってリリースされたシングルのLOVELAND,ISLANDを聞いてみると,

  • それぞれの楽器の音が,はっきりと聞き分けられるようになった。
  • 低音,特にキックとベースが前に出てきた。
  • といった違いがハッキリと分かるはずです。


    サウンド&レコーディング・マガジン3月号では,RCA/AIR YEARSにちなんだ特集が組まれています。当時から現在まで,ずっと山下達郎のアルバム制作に関わってきたエンジニアの吉田保氏をはじめ,今回のリマスタリング作業に関わった方々のインタビューなども収録されていました。

    全部購入すると,COME ALONGのリマスター盤がもらえる,という特典もあるのですが,なかなか一気に全部購入するのは大変なので,まずは最初のソロ・アルバムCIRCUS TOWNから手をつけてみることにします。

    2002年2月11日

    DVDと本のある生活

    だんだん,Reviewのタイトルがいい加減になってくるような気もしますが,とりあえず今回は最近買ったDVDと本のご紹介です。

    プリティ・ブライド

    原題は"Runaway Bride(逃げる花嫁)"なのですが,プリティ・ウーマンの監督と主演2人という組み合わせで作られた映画ということで,日本向けにこのタイトルにしたようです。従って,プリティ・ウーマンの続編というストーリーでは決してありません。

    まあしかし,プリティー・ウーマンが大好きな人にとっては,この2人の組み合わせはたまりませんね。ただし,ジュリア・ロバーツはそれほど年をとった感じがしませんが,リチャード・ギアはかなり老けた印象を受けます。

    また,プリティー・ウーマンでビバリー・ウィルシャー・ホテルの支配人役を演じたヘクター・エリゾンドも,相変わらずいい味を出しています。ついでにホテルのエレベーターボーイも,ちょい役で登場。

    女王陛下の007

    007シリーズはフレミングの原作も含めて,全て見て(読んで)いますが,この作品が一番好きです。何作にも渡ってボンド役を務めたショーン・コネリー,ロジャー・ムーア,ピアース・ブロスナンの作品よりも,この1作で降板してしまったジョージ・レイゼンビーのボンドに惹かれます。2番目に好きなリビング・デイライツという作品も,たった2作で降板したティモシー・ダルトンの主演というのも不思議です。(こちらはLDを持っています。)

    とにかくこの映画は原作が素晴らしい。公開当時は,ジョージ・レイゼンビーが次の007には出ないとすでに公言していたこともあり,またジェイムズ・ボンド=ショーン・コネリーのイメージを持っていた人が多かったことから,あまり良い評価は受けないでしまいました。

    しかし,この映画は他の007シリーズと比較して,史上最も原作に忠実に作られた作品でありながら,映画ならではの楽しさをピーター・ハント監督が十二分に引き出しているところが,このところの再評価につながっているのではないかと思います。

    スティーブ・ジョブズの再臨

    アップルの創設者の一人にして,パーソナル・コンピュータという概念を現実のものとして最初に世に生み出した現代のカリスマ。様々な言葉で賞賛され,あるいはプライベートや暴君的経営を非難されるスティーブ・ジョブズ。

    この本は,1985年にアップルを追い出されて,1997年に再び暫定CEOにカムバックするまでの,十数年間にジョブズが関わった2つの会社,ネクストとピクサーの没落と繁栄を描きつつ,グッド・ジョブズとバッド・ジョブズの2つの側面をもつ彼の人となりを,彼を取り巻く様々な人々の証言をもって紹介しています。

    とりわけ,金食い虫と言われたピクサーが,ジョブズの資金援助を受けながら地道な試行錯誤を繰り返し,ディズニーと提携して制作したトイストーリーの大成功までのヒストリーは,興味深いものがあります。

    翻訳は,古くからのマックユーザーにはおなじみの大谷和利さん。巻末に,関係者や用語で引ける索引がついているのもなかなかいいと思います。

    2002年1月15日

    DVDのある生活

    今回はDVDの話。タイトルをどうしようかと考えて,「マックのある生活」をそのまま流用して,「DVDのある生活」としてみました。


    私は10年くらい前からレーザーディスク(LD)を楽しんでいました。なのでDVDが出た時も,「どうせDVDはMPEGで圧縮されているんだから,レーザーディスクより画質が良いわけではないんだろう」,という頑な考えを持っていて,なかなかDVDに飛びつきませんでした。


    それが,プレイステーション2が発売されたのを機に,とうとうDVDに手を出すことになりました。「DVDも見られる」ということで,新しいゲーム機を買う口実にしたというところがないわけでもないのですが。


    しかし,なかなかお金の算段がつかないまま購入がのびのびになってしまいました。2000年の年末にDVDコントローラーが同梱された新しいタイプが発売されたのを機に,ようやく購入したというわけです。




    というわけで,今回は私が持っているDVDタイトルの話です。

    レオン完全版
    最初に買ったDVDが,このレオン完全版でした。映画館でレオンを見たのはもう何年前になりますか。この完全版も映画館で見ました。完全版では掃除屋レオンと少女マチルダの淡いラブ・ストーリーが細かく描かれていると言われています。マチルダ役のナタリー・ポートマンは後にスターウォーズEpisode Iで見事な女王役を演じるようになります。

    2001年宇宙の旅
    いわずとしれたSF映画の金字塔。最初に映画館で見たのは中学生の時でしたかね。(歳がバレる)
    ダグラス・トランブルの特殊効果シーンは,今みてもまったく古さを感じさせないところがすばらしい。彼の元で育ったジョン・ダイクストラやリチャード・エドランドが,後にILMを設立しスターウォーズ,スタートレック,未知との遭遇などの名作を生むことになります。キューブリックの作品では他に「時計仕掛けのオレンジ」が大好きでした。今度ぜひDVDを手に入れたいと思っています。

    2010年
    アーサー・C・クラークが2001年の続編として書き上げた小説を映画化したもの。前作があまりにもキュブリックの映画になりすぎたということもあるせいか,宇宙船やコンピュータよりも人間ドラマに重点が置かれているのが面白い。HALが自分の最後を悟った時に,生みの親チャンドラ博士に対して言った言葉,「私も夢を見るのでしょうか」が泣けます。細かいところでは,主演のロイ・シャイダーとジョン・リスゴーがホットドッグの話で盛り上がるシーンがお気に入りです。

    スター・ウォーズ Episode I
    ようやくでたエピソードIのDVD。本編はもちろん,おまけがなかなか見応えがあります。特に1時間に及ぶメイキングは見もの。さらに本編は字幕・吹き替えはもちろんのこと,ジョージ・ルーカスやスタッフ達が延々としゃべる音声解説を聞きながら本編を見られるモードも用意されていて,実にお買い得な DVD。惜しむらくは,エピソードIIのトレーラーが収録されていない。このDVDリリースの直後にインターネットで見られるようになっただけに,できればDVDに収録してほしかったところです。

    プリティー・ウーマン
    実は私はジュリア・ロバーツの大ファン。そしてロバーツといえばプリティー・ウーマンというくらい大好きな映画です。ロイ・オービソンの大ヒットナンバーが流れると身も心もウキウキさせられます。お気に入りのシーンといえば,もちろんドンペリと苺ですかね。いまだにドンペリを(ごくごくたまに)買った時は,苺と一緒に飲みます。ジュリアがドラッグをやっていると勘違いしたリチャード・ギアが,彼女を追い出そうとするシーンで,実は彼女は糸で歯を磨こうとしていたのだと気づくシーンなども◎。

    ペリカン文書
    ロビン・ウイリアムズがピーター・パン役に扮した「フック」でのティンカー・ベル役以来,2年ぶりの復帰作となったのがこのペリカン文書。相手役はロバーツ自らが指名したと言われるデンゼル・ワシントンです。殺人事件の謎を追いつつ,悪いやつらに追いかけられて逃げ回る二人。ハラハラどきどき楽しい映画です。「2010年」にも出演しているジョン・リスゴーが,デンゼル・ワシントンの上司役を演じていて,これがまた実に渋くて良い。こういう理解のある上司の役が似合う役者ってなかなかいませんね。

    エリン・ブロコビッチ
    ノミネート3作目にして,ようやくロバーツに2001年アカデミー主演女優賞をもたらした一作。ジュリア演じる一見ハチャメチャな女エリンが,実在の人物で実話を元にしたストーリーだというからビックリ。シングルマザーの話なんて,ジュリアに向いているんだろうかと思いながら見たけど,これはまさにロバーツの映画です。

    ルパン三世 カリオストロの城
    モンキー・パンチのルパンを宮崎駿が監督した作品。最初から最後まで宮崎駿テイストで満ちあふれています。銭形のとっつあんがラストであんなカッコいいセリフを吐くなんて。10年ほど前,私の職場に宮崎さんがお見えになるという出来事がありまして,前日に購入した「風の谷のナウシカ」のLDにサインをもらいました。他の人はみな色紙だったので,LDを差し出したら宮崎駿が「おっ?」と言ったのだ。それだけが自慢。その直後に上映された「紅の豚」がまもなくDVD化されるので楽しみです。

    トイ・ストーリー 1&2
    アップルのCEO,スティーブ・ジョブスが現在もCEOを勤めているもう一つの会社,それがピクサー。そのピクーの大ヒット作がこのトイ・ストーリー1と2なのです。お子さま向けのCGアニメと見もせずに馬鹿にするなかれ。実にシナリオがしっかりしていて,大の大人でも思わず涙するシーンもあるのだ。特に2ではランディ・ニューマンの音楽が涙腺を刺激することおびただしい,いやはや。特典映像としてついてくる,「ルクソーJr.」「ティン・トイ」の2つの短編もお気に入りです。