先日アップしたQTVRメモを元に,お手軽QTVR解説を作ってみました。今回は画面をキャプチャした画像もてんこもりに入っています。
「高い機材を買わなくても,Appleのバカ高いQTVRASを買わなくても,お手軽にQTVRが始められるよ,という趣旨でもって,お手軽QTVR解説を作ってみました。」
というとカッコいいけど,実際は自分のためのメモの延長に過ぎません。まあ,勝手に盛り上がってれば,って感じでしょうが,これを見て興味を持ってくれる人がいたらそれだけで私は嬉しいのです。
画面キャプチャはいりまくりで少々重たいページとなっておりますが,どうぞご覧下さい。
はじめに
2004年からQTVR作成を始めてみました。いろんな方法を試してみるうちに少しずつノウハウが分かってきたので,この辺でメモしておこうかと思います。基本路線は,お金と手間をかけない「お手軽QTVR」です。
QTVR撮影セット
ワイコン:SD-05W(KENKO)
三脚:VGB-36 (Velbon)※借り物
ストレートスライダー:E-190 (エツミ)
縦位置L型ブラケット:E-6082 (エツミ)
ソフトウエア
PhotoStitch (Canon)
Photoshop CS (Adobe)
MakeCubic (Apple)
QuickTime Pro (Apple)
カメラは,最初はEOS10Dで撮っていましたが,QTVRを撮る時はいつも歩いて移動するので,最近は軽いCybershotを使っています。画素数は300万画素とEOS10Dの630万画素よりは落ちますが,QTVRには十分すぎるくらいですし,夕方など暗い場面ではEOS10Dよりも威力を発揮してくれます。より広い画角を稼ぐためにKENKOのワイドコンバージョン・レンズを購入して使っています。
三脚は借り物のビデオ用三脚です。そろそろちゃんとした三脚が欲しいと思っています。ベルボンのカーボン三脚,エル・カルマーニュ540がコンパクトで手早く折り畳めるので良さげ。
QTVRでは,天地が広くとれるように三脚にカメラを縦位置で取り付けて撮影します。かといって三脚の雲台を90°傾けてしまうと,三脚の軸とカメラのレンズの位置が大きくズレてしまうので具合が良くない。そこでQTVR専用の雲台がKAIDAN社などから出ていますが,あくまでお手軽派で通したいので,エツミの縦位置L型ブラケットで代用していました。ブラケットの下部に3つネジ穴が切ってあって,縦の金具に近い方のネジ穴を三脚に固定すると,Cybershotのレンズの中心が三脚のほぼ中心にくるので具合がいいのです。
ワイコンを使うようになってからは,縦位置L型ブラケットとストレートスライダーを組み合わせて,レンズの中心と三脚の回転軸が垂直線上で一致するようにセットしたところ,うまく合成ができるようになりました。
PhotoStitchは,Canonのデジタルカメラに付属するソフトウエアですが,Windows版とMacOSX版の両方入っているところが素晴らしい。このソフトに巡り会わなかったら,QTVRを作ってみようとは思わなかったと思います。ただ,Canonのデジカメを買わないと使えないソフトなので,これだけ単体のソフトとして販売くれないものかと思います。
Photoshop CSは,PhotoStitchで合成した画像のレタッチに使用します。
MakeCubicはAppleのデベロッパーツールから無料でダウンロードできます。MakeCubicは本来はCubicVRを作るソフトなのですが,ティルトの数値を変えてやるだけでQTVRも作ることができます。当初は,PhotoStitchで合成からQTVR作成まで行っていたのですが,MakeCubicのほうが細かい設定ができて便利です。
QuickTime Playerも無料でダウンロードできますが,QTVRや動画編集などをする方は¥3,780でProバージョンにアップデートしておきましょう。
撮影
いよいよ撮影です。撮影ポイントに着いたら,通行人の邪魔にならず,かつ見通しの良い,なるべく平らな場所を選んで,おもむろに三脚をセットします。三脚についている水準器で水平をとったあと,縦位置L型ブラケットとデジカメをセットします。ブラケットにも水準器を取り付けているので,これで最終確認をします。 三脚の水準器の水平をいい加減にしてブラケットの水準器だけで水平を取ってしまうと,雲台を回転した時に水平にならないことがあるので要注意です。
カメラの電源を入れ,ズームを目一杯ワイドにします。PhotoStitchでは,最初に撮影した画像がそのままQTVRの初期画面になるので,なるべくそこがどこであるか分かりやすい方角を向いて撮影を開始します。 撮影の間隔は,液晶ディスプレイを縦に3分割したと想定して,画面の3分の1ずつズラしながら撮影していきます。一周24枚くらいが目標です。 撮影が終わったら手早く三脚を畳み,怪しまれないように気をつけながらその場を去ります。(QTVRの撮影って,見てる人からは絶対に怪しいと思われているに違いない。)
PhotoStitchで合成
ステップ1 開く
撮影した画像をiPhotoで取り込んだあと,PhotoStitchを起動し,必要な画像を選択して開きます。ステップ2 合成
合成タブをクリックし,次に合成の設定をクリックして,撮影方法の中から「カメラをパンして風景などを撮影した画像」を選択します。ステップ3 保存
保存タブをクリックし,次に画像の調整をクリックして,保存する画像のサイズを調整します。PhotoStitchでQTVRを作成する場合は,画像のサイズを高さ400ピクセル程度に小さくしておきます。余白切り取りはチェックを入れたままにして,表示形式はノーマルのままにして,閉じるをクリックします。
Photoshop CSでレタッチ
合成したJPEG画像をPhotoshop CSで開きます。ここでは明るさ,コントラスト,彩度,色合いなどを修正した後,縦400ピクセルくらいにリサイズして,最後にアンシャープマスクをかけてから,保存します。
MakeCubicで変換
MakeCubicを起動し,Preferencesで圧縮の設定や,最終的なウィンドウのサイズを設定します。私はフォトJPEGの50%(中)で,ウインドウサイズは480*280に設定し,それ以外は初期設定のままにしています。QuickTime Proで書き出し
QTVRムービーをQuickTime Proで開き,ファイル-書き出しで「ムービーからファストスタートQuickTime VRムービー」を選択して書き出します。このひと手間をかけることで,webに上げた時にファイルの読み込みが完全に終了する前にプレビューが見られるようになります。以上でできあがり。
まとめ
というわけで,PhotoStitchだけで作っていた頃に比べると,工程は増えましたが,その分Photoshopでレタッチできるようになったり,スクリーンのサイズを自由に設定できるようになったりと,かなり満足できる仕上がりに近づいてきたと思います。
リンク集
QTVRムービーの理論と実践 QTVRの第一人者,荻窪圭氏による詳しくて分かりやすい解説
QTVR-パノラマ Reference & Example Suzuki Sign Instituteによる詳細な解説
Mac改造天国と地獄 エツミの縦位置L型ブラケットが紹介されている
labo tech note QTVR雲台の回転の中心はカメラかレンズか
パノラマの館 PhotoStitchの素晴らしさについて解説している
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