BMG JAPAN (2002-02-14)
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山下達郎のRCA/AIR YEARS。最初に買ってきたのは,CIRCUS TOWNです。
CIRCUS TOWNは,シュガーベイブ解散後,ソロ・デビューを飾った記念すべきアルバムです。プロデュースとアレンジが山下達郎以外の人間によって行われたというのも,このCIRCUS TOWNだけ。
日本でいくつか曲を作って,それをアメリカのプロデューサー,チャーリー・カレロに渡してアレンジしてもらい,山下達郎が指名したミュージシャンたちが演奏。できあがったオケに吉田美奈子さんが詩をつけて歌入れ,という工程で作られたのがニューヨーク・サイド。(アナログのA面)LAサイド(B面)では,山下達郎自身もギターを演奏しています。
次のSPACY以降のアルバムでは,すべて山下達郎がプロデュースとアレンジを行っています。さらにMelodies以降のアルバムでは,楽器の演奏も山下達郎自身が演奏するパーセンテージが高まり,コーラスも含めて一人多重録音の傾向が強まって行きます。
それに比較して,このCIRCUS TOWN,特にニューヨーク・サイドの4曲は,名うてのプロデューサーが,日本からやってきた見も知らぬ若者から曲を渡されて,独自の解釈でアレンジ。そして一癖も二癖もあるミュージシャン達を指揮してオケを完成させるという,この異なる背景を持つ両者のせめぎ合いから生まれてくるサウンドが,CIRCUS TOWNというアルバムの一番の魅力ではないかと思っています。
そういう意味からも,1曲目のCIRCUS TOWNが,なんといってもベストワンでしょう。イントロの印象的なピッコロのメロディは,チャーリー・カレロが「サーカスならこれだろう」と,「藁の中の七面鳥」という曲のフレーズをはめ込んだということです。「藁の中の七面鳥(Turkey in the Straw)」は,オクラホマ・ミキサーといフォークダンスで踊ったことがある方が多いと思います。最近では,某社のレトルト製品であるところのハッシュド・ビーフのCMで替え歌が使われていましたっけ。しかし私も今回のリマスター盤に書かれた曲目解説を見るまでは,まったく気がつきませんでした。
※今頃気がつきましたが,1996年から始まったこのReviewも,今回でとうとう100個目になりました。100個になったらReviewという偉そうなタイトルも変えようかと思っていましたが,当分このままで続けることにします。
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